みなさんこんにちは。
本日は、コアホウドリの生態についてまとめていきたいと思います。
コアホウドリはミズナギドリ目アホウドリ科アホウドリ属に分類される鳥類です。
水鳥・海鳥としてはかなり大きな部類に入る鳥類で、同科同属のアホウドリより一回りほど小型になります。
太平洋沿岸を主生息地にし時折、日本各地の沿岸での保護例がありますが…そのほとんどが衰弱した個体が迷鳥として飛来したものです。
基本はアホウドリと同じく国内には“絶海の孤島”に生息する大型海鳥で、アホウドリと同じくその姿を減らしつつあります。
今回は、コアホウドリについてのポイント、
以上7個の点についてお伝えします。
それでは、コアホウドリの写真(画像)を見ていきましょう!
目次
コアホウドリの画像(写真)!特徴や性格は?英語名はなに?
写真がコアホウドリのペアを撮影したものです。
コアホウドリの特徴はその巨大さ…かつ鳥類としては例外的な体重が挙げられます。
体重は成鳥で2.4~2.7kgほどになり、翼を広げた『翼開長』は実に2mにも及ぶ大型海鳥です。
ただし北太平洋に生息するアホウドリ科アホウドリ属の3種(他にアホウドリ・クロアシアホウドリ)の中では最も小型種になります。
ちなみに3種内で最も有名な“アホウドリ”は飛行する鳥類の中で、世界最大種です。
また『コアホウドリ』の体色は完全な雌雄同色です。
最も目を惹くのクチバシ基部と脚部にかかる、淡いピンク色でしょう。
クチバシ基部…つまりクチバシ根元がピンクの暖色に色づくのに反し、クチバシ先端は青みがかかるアンバランスさを兼ね備えています。
その他はほぼ黒と白の体色が主となり、目の周りと耳孔・羽根状面が黒褐色を持ちます。
その他は全て身体は白に色づき、他2種のアホウドリと容易に判別可能ですね…
更に雛時代は例外として、幼鳥・若鳥時代も共にクチバシが灰褐色に染まるくらいで、成鳥とその外見上の特徴が全く変わらないのも“コアホウドリ”独特の特徴となります。
そしてアホウドリの仲間は全世界に13種生息しますが、北半球を生息・繁殖地に選ぶのは「アホウドリ」「クロアシアホウドリ」「コアホウドリ」のみです。
コアホウドリの性格ですが、実は日本近海の総個体数は「アホウドリの乱獲」と共に激しく落ち込んでいます。
そのため性格的には警戒心が少なく、人間が近づいても呆気なく狩られてしまうという“警戒心の欠如・おっとりした性格”が顕著であったと報告されています。
コアホウドリの英語名は『Laysan albatross』です。
英語でalbatrossは「アホウドリ」laysanは「ハワイ州レイサン島」を指し、アメリカでの繁殖地域を示しています。
次は、コアホウドリの生息地(分布)はどこなのかについてお伝えします。
コアホウドリの生息地(分布)はどこなの?神奈川県やハワイにいる?どの季節で見ることができる?
コアホウドリの生息地の写真です。
コアホウドリの生息地は北太平洋と、北半球各大陸に面した島部が主です。
国内の神奈川県では滅多にお目にかかる事はできませんが、ごく少数ですがハワイで産まれた若鳥が冬越しのための旅鳥として、日本列島太平洋側近海で発見される事があります。
過去には大磯や江の島などで弱った個体が保護された例がありますが…極めて少数で総個体数もさほどではありません。
日本列島では日本海側ではほぼ発見することができず、可能性で言えば夏場の「三陸海岸沖」もしくは「北海道太平洋側沿岸部」が最も目撃例が多くなります。
ハワイは前章で説明したように、英名で「laysan=ハワイ州レイサン島」が頭文字につくほど、有名な造巣地であり周辺諸島が世界的な“コアホウドリ繁殖地”となっております。
基本的にコアホウドリは旅鳥です。
日本沿岸には夏場の旅鳥として北海道や東北地方太平洋沿岸に飛来します。
冬期はハワイ沿岸の各諸島・小笠原諸島の聟島(属島である母島)・メキシコ沿岸のクラリオン島に渡り過ごします。
国内繁殖個体は僅かでありハワイから渡ってくるものがほとんどですが、もしかしたら『国内渡り鳥』として北海道・東北沿岸から小笠原諸島営巣地を行き来している個体もいるのかもしれませんね。
次は、コアホウドリの寿命はどれぐらいなのかについてお伝えします。
コアホウドリの寿命はどれぐらい?繁殖地や繁殖期はいつなの?レッドリスト(絶滅危惧種)に載っているの?
最も長寿なコアホウドリ「ウィズダム」の画像です。
コアホウドリはかなり長寿な鳥類として有名です。
記録されている限りではハワイの北太平洋上の北西ハワイ諸島の個体群の一羽であり、識別名性「ウィズダム」というメス個体が長寿記録として残り続けています。
“ウィズダム”は雛を育てている最中の1955年推定年齢5歳頃に足環をつけられ、追足調査が行われました。
驚くべきことにこのウィズダムは2021年に70歳の誕生日を迎え、今なお繁殖・子育てをしているそうです。
ただこの“ウィズダム”は例外中の例外で、大半の識別個体の野外平均寿命は約40年ほどとなります。
コアホウドリの繁殖期・繁殖地ですが、基本的には現地気候の夏場です。
繁殖地はその大部分がハワイ諸島近辺の太平洋側諸島に集中しており、ハワイ州に含まれるミッドウェー環礁にまで達します。
その他はメキシコに位置するクラリオン島…そして国内の小笠原諸島の聟島(むこじま)、聟島の属島の鳥島(とりしま)、そして2014年には嫁島での繁殖が確認されています。
コアホウドリは国内では環境省レッドデータブック(RDB)における『絶滅危惧ⅠB類』、そして国際自然保護連合(IUCN)では『準絶滅危惧種』に指定されているのが現状です。
ちなみに環境省RDBの絶滅危惧ⅠB類はEN(Endangered)に位置し、最上級の危機「絶滅(EX:Extinct)」から僅か4段階下のカテゴライズとなります。
その一方で国際支援保護連合IUCNの準絶滅危惧種(NT:Near threatended)は絶滅の可能性が現段階では低い『低危険種』の僅か一段階上で、一応絶滅の危険性はありますが重篤ではなく国内外の指針が大きく異なります。
2022年現在、ハワイ州の太平洋沿岸諸島では約80万羽が繁殖しますが…国内では十数例のつがい確認が取れているのみなので、評価にバラつきが生じるのは当然でしょう。
次は、コアホウドリの雛(幼鳥)の特徴についてお伝えします。
コアホウドリの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?
写真はハワイ・レイサン島でのコアホウドリの成鳥と雛です。
コアホウドリの雛の特徴は、やはりその真っ黒な「綿毛」でしょう。
国内の小笠原諸島の営巣地には11~12月頃の冬期(南西諸島なのでかなり温暖ですが…)に飛来します。
基本的に一つのペアが一つの卵を大切に育て、かわるがわる抱卵し2ヶ月ほどで孵化します。
雛の時代のみコアホウドリは幼鳥・若鳥・成鳥と異なり、真っ黒な綿毛に包まれるのでハッキリと判別可能です。
幼鳥に近づくと黒い綿毛が抜け、親鳥と全く変わらない姿に育ち上がります。
雛の最大サイズですが孵化直後は10cmほどの大きさですが、巣立ち前はほぼ親鳥と変わらない大きさにまで成長します。
クチバシ・虹彩共に暗褐色であり、4ヶ月ほど親から給餌してもらい幼鳥・若鳥にすくすくと育ち上がります。
それでは、コアホウドリの鳴き声(さえずり)の特徴についてお伝えします!
コアホウドリの鳴き声(さえずり)の特徴は?
コアホウドリは鳴き声のバリエーションがかなり乏しい鳥類です。
海洋上を飛翔時に「キュヒヒヒヒヒ」や「ピュイー」と非常に甲高い鳴き声を発します。
その反面、集団営巣地などでは「ガー」と低く鳴いたり、くちばしを「カタカタカタカタ」とならす『求愛行動』を行うそうです。
それでは次に、コアホウドリは飼う(飼育)ことができるのかをお伝えします!
コアホウドリは飼う(飼育)ことができるの?食性は?何を餌(食べ物)にしているの?
コアホウドリは世界的に生息数が限られており、捕獲はもちろん触れるだけでも“行政の許可”や“専門の研究者”に限られています。
そのため当然ながら飼育すること自体が、世界的に『違法』となるのです。
その食性ですが繁殖期・非繁殖期を通し、完全な肉食性です。
カツオドリの仲間などの大型海鳥と異なり、潜水して狩りをすることはできません。
そのため捕食する餌は海洋表面に生息する「魚類…トビウオなどの表層魚類」「軟体動物…主にイカ」「オキアミなどの浮遊性甲殻類」などが大半です。
特にイカ類に依存する傾向が強い食性を持つとされています。
最後に、コアホウドリの性別雌雄(メスオス)の見分け方をお伝えします!
コアホウドリの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?メス同士でつがいになるの?
コアホウドリの性別雌雄の見分け方ですが、その外見上からはほぼ不可能とされています。
コアホウドリの学名は『Diomedea immutabilis』ですが、この種小名を指す『immutabilis』は「変わらない・普遍」という意味を持ち、その雛以外は幼鳥・若鳥・成鳥全てが同一色となります。
性別雌雄を見分けるには、オスの求愛行動からでしょう。
基本的に多数の個体でコロニーをつくるコアホウドリは、オス個体が低い鳴き声を発しながらクチバシをメスの前でリズミカルにならします。
求愛を受け入れてくれると、メス個体も同様の行為を取り二羽で天を仰ぐので、これが最も手っ取り早い判別方法となります。
もう一つ「産卵の瞬間を注意深く観察する」ことでも見分ける事が可能ですが、一度ペアになるとオスメス共に卵を暖め給餌もするので、あまり現実的ではないでしょう。
またハワイ・オアフ島における観察事例では、実に仲睦まじく子育てする夫婦?の約30%がメス同士の同性ペアという事が確認されています。
一説ではこれはコアホウドリ・コロニー内の男女比がメス60%と偏る事が原因なのではないか?とされています。
面白いことにメス同士でのみ同性ペアを作りますが、この前に片方のメスのみ他のオスと既に交尾をしているのです。
これは外見上の見極めが困難な事から、長い間判明していませんでした。
オスメスのペアの様に長年寄り添う同性ペアもいれば、その都度相手を変えるケースも見られるそうです。
鳥類にはメス同士のペアが意外と多く、ペンギン類が最も有名な事例でしょう。
ただし人間の様な『多様な性』に近いものではなく、あくまで種を残す効率の良さを優先した結果…同性カップルに落ち着いたのが主要因でしょう。
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
コアホウドリのまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは7個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①コアホウドリの画像(写真)!特徴や性格は?英語名はなに?
コアホウドリは鳥類としては例外的な体の大きさが最大の特徴でしょう。
成鳥は2.4~2.7kgほど、『翼開長』は実に2mにも及びます。
ですが北半球に分布するアホウドリ科アホウドリ属の3種(他にアホウドリ・クロアシアホウドリ)の中では最も小型種になります。
コアホウドリは完全な雌雄同一色です。
クチバシ基部と脚部に淡いピンク色がかかり、先端は青みがかかります。
体色は黒と白の体色が主となり、目の周りと耳孔・羽根状面が黒褐色を持ちます。
他の部分は白に色づき、他2種のアホウドリと容易に判別可能です。
幼鳥・若鳥時代も共にクチバシが灰褐色に染まるくらいで、成鳥とその外見上の差が全くありません。
そのため性格的には警戒心が少なく、人間が近づいても呆気なく狩られてしまうという“警戒心の欠如・おっとりした性格”が顕著であったのが数を減らした主要因とされています。
英語名は『Laysan albatross』と呼ばれ、albatrossは「アホウドリ」laysanは「ハワイ州レイサン島」を指し、アメリカでの繁殖地域を示しています。
②コアホウドリの生息地(分布)はどこなの?神奈川県やハワイにいる?どの季節で見ることができる?
コアホウドリの生息地は北太平洋と、北半球各大陸に面した島部です。
国内の神奈川県では滅多に見られませんが、ハワイで産まれた若鳥のごく少数が冬越しのための旅鳥として、日本列島太平洋側近海で発見される事があります。
過去には大磯や江の島などの神奈川県下で弱った個体が保護された例があり、更に健康な個体の観察例も記録されているのは確かです。
ただ数例に留まるほど極めて少数で、総個体数もさほどではありません。
日本列島では日本海側では希少種とされており、夏場の「三陸海岸沖」もしくは「北海道太平洋側沿岸部」が最も目撃例が多くなります。
ハワイ州はコアホウドリの英名に「laysan=ハワイ州レイサン島」がつくほど有名な造巣地であり、周辺諸島が世界的な“コアホウドリ繁殖地”となっております。
基本的にコアホウドリは旅鳥であり、日本には夏場の旅鳥として北海道や東北地方太平洋沿岸に飛来します。
冬期はハワイ沿岸の各諸島・小笠原諸島の聟島(属島である母島)・メキシコ沿岸のクラリオン島に渡り過ごします。
国内繁殖個体は僅かでありハワイから渡ってくるものがほとんどですが『国内渡り鳥』の可能性ももちろん捨てきれません。
③コアホウドリの寿命はどれぐらい?繁殖地や繁殖期はいつなの?レッドリスト(絶滅危惧種)に載っているの?
コアホウドリは野外寿命しか確認されておらず最大で70年…平均40年ほどと見做されます。
国内繁殖種は環境省RDBに絶滅危惧種入りしていますが、世界的なIUCN分類ではあくまで低危険種であり絶滅危惧種ではありません。
④コアホウドリの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?
黒い綿毛はもちろん、そのクチバシ・虹彩も黒褐色になります。
4ヶ月ほど一羽の雛を大切に育て、その後親鳥とほとんど変わらない羽色を持つ幼鳥となる事が知られています。
産まれた直後は10cm前後の大きさですが、黒い綿毛が抜ける少し前の雛の大きさは親鳥とほぼ大差ありません。
⑤コアホウドリの鳴き声(さえずり)の特徴は?
鳴き声のバリエーションはかなり乏しいです。
海洋上を飛翔時に「キュヒヒヒヒヒ」や「ピュイー」と甲高い鳴き声を発する他、集団営巣地などでは「ガー」と低く鳴きクチバシを「カタカタカタカタ」とならす『求愛行動』を行います。
⑥コアホウドリは飼う(飼育)ことができるの?食性は?何を餌(食べ物)にしているの?
世界的に生息数が限られているので捕獲はもちろん、触わるだけでも“行政の許可”が必須で“専門の研究者”に限られています。
当然ながら飼育すること自体が『違法』となります。
食性は繁殖期・非繁殖期を通し、ほぼ完全な肉食性です。
潜水して狩りをすることはできません。
そのため捕食する餌は海洋表面に生息する「魚類…トビウオなどの表層魚類」「軟体動物…主にイカ」「甲殻類」などが大半です。
特にイカ類に依存する傾向が強いとされています。
⑦コアホウドリの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?メス同士でつがいになるの?
性別雌雄の見分け方は、外見上からは不可能です。
コアホウドリの学名は『Diomedea immutabilis』ですが、この種小名を指す『immutabilis』は「変わらない・普遍」という意味を持ち、その雛以外は幼鳥・若鳥・成鳥全てが同一色となります。
性別雌雄を見分けるには、オスの求愛行動からでしょう。
コアホウドリはオス個体が低い鳴き声を発しながらクチバシをメスの前でリズミカルにならします。
求愛を受け入れるとメス個体も同様の行為を取り二羽で天を仰ぐので、これが最も手っ取り早い見分け方ですね。
ハワイ・オアフ島における研究方向には、実に子育て夫婦?の約30%がメスの同性ペアという事が確認されています。
一説ではコアホウドリ・コロニー内の男女比がメス60%と偏りがあるのが原因の可能性が高いそうです。
面白いことにメス同士のみ同性ペアを作り、片方のメスのみ他のオスと既に交尾をしている事が条件となります。
外見上の雌雄差が困難なため、この事実は長らく判明していませんでした。
オスメスのペアの様に長年寄り添う同性ペアもいれば、その都度相手を変えるケースも見られるそうです。
鳥類にはメス同士のペアが意外と多く、ペンギン類が最も有名な事例でしょう。
ただし人間の様な『性の多様性』に近いものではなく、あくまで種を残す効率の良さを優先した結果…同性カップルに落ち着いたのが主要因でしょう。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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