【クサシギの生態!】鳴き声や冬の羽の等8個のポイント!








 

みなさんこんにちは。

本日は、クサシギの生態についてまとめていきたいと思います。

 

クサシギはチドリ目シギ科に分類される水鳥です。

干潟を最も好みますが、緩やかな河川や淡水の湖沼・水田などでも見かけることができます。

食性はほぼ肉食性ですが、時折草木の種子などをついばむ様子も観察されています。

日本国内へは旅鳥・冬鳥として渡ってきて、関東以南・以北ではその生態が全く異なるのも特徴的です。

 

今回は、クサシギについてのポイント、

①クサシギの画像(写真)!冬の羽や夏の羽や飛翔の特徴は?学名や英語名はなに?
②クサシギの生息地(分布)はどこなの?どの季節で見ることができる?
③クサシギの寿命はどれぐらい?繁殖地や冬越地や繁殖期はいつなの?
④クサシギの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?
⑤クサシギの鳴き声(さえずり)の特徴は?
⑥クサシギは何を餌(食べ物)にしているの?
⑦クサシギの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
⑧クサシギとイソシギやハマシギやタカブシギやキアシシギとの違いや見分け方(識別方法)はなに?

 

以上8個の点についてお伝えします。

それでは、クサシギの写真(画像)を見ていきましょう!

 

クサシギの画像(写真)!冬の羽や夏の羽や飛翔の特徴は?学名や英語名はなに?

 

クサシギの画像です(※冬羽)

 

クサシギは国内では関東以南・以北にそれぞれ冬鳥・旅鳥として渡来します。

 

冬羽のクサシギの写真です。

 

夏羽のクサシギの写真です。

 

主に春と秋の渡りの時期に飛来し、渡来地は全国に及びますが、関東以南では冬鳥として越冬し関東以北では休息を取るための旅鳥として観察することが可能です。

そのため国内でも“冬羽”と“夏羽”のクサシギの両者を観察できます。

「冬の羽(冬羽)」「夏の羽(夏羽)」の特徴で目を惹くのが、腹部から広がる白模様と茶褐色が占める割合でしょう。

クサシギの冬羽は腹部に僅かな白みがかる程度ですが、こと夏羽になるとこの茶褐色模様が翼の先端にのみ発現し、それ以外の部分が白色もしくは茶色と白のまだら色に染まります。

 

クサシギの飛翔はかなり特徴的です。

 

基本的に直線飛行を行う一風変わった飛翔方法です。

また、羽ばたきはほとんど行わずに、翼を固定し滑空することが大半となります。

 

クサシギの学名はTringa ochropus』と言い、英語名はGreen Sandpiperと呼ばれています・

 

次に、クサシギの生息地(分布)はどこなのかについてお伝えします。

 

クサシギの生息地(分布)はどこなの?どの季節で見ることができる?

 

前述しましたが日本国内に限定すれば、クサシギは北海道から沖縄県まで全国各地で見ることが可能です。

 

この鳥は夏期にはユーラシア大陸北部のツンドラ地帯など広大な地域で繁殖を行います。

子育てが終わりしばらくすると、冬季はインド・アフリカ大陸・中東地域・中国南部地域・東南アジア諸国、そして日本など…様々な地域に渡り越冬します。

日本国内の関東以南…特に九州地方では国内越冬個体群が頻繁に確認されており、関東以北では渡りの途中に立ち寄るだけの旅鳥という位置づけです。

基本的に春と秋に日本に渡ってきますが、九州地方の様に関東以南の温暖な地域では冬越しをするケースも生じます。

 

国内で観察したい方は春季・秋季がベストな時期であり、運が良ければお住まいの地域で越冬個体も見ることができるでしょう。

 

次に、クサシギの寿命はどれぐらいなのかについてお伝えします。

 

クサシギの寿命はどれぐらい?繁殖地や冬越地や繁殖期はいつなの?

 

野性下のクサシギの寿命はかなり不鮮明です。

 

他のシギ類の平均寿命が8~10年ほどなので、クサシギの寿命も概ね同様になるでしょう。

確認されている飼育下のクサシギの長寿記録は15年ですので、野生個体も潜在的にそれに倣った寿命を持つと推測されます。

 

クサシギの主生息地はユーラシア大陸北部全般です。

 

繁殖期は夏期であり、ユーラシア大陸北部を繁殖地に選び「産卵・子育て」を行います。

越冬地は既に述べましたが世界中に点在し、驚くほどの移動距離を誇ります。

日本国内の関東以南から始まり・インド・アフリカ大陸・中東地域・中国南部地域・東南アジア諸国と世界各国に及ぶのです。

 

次は、クサシギの雛(幼鳥)の特徴についてお伝えします。

 

クサシギの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?

 

かなり見えにくいのですが赤丸部分がクサシギの雛の写真です。

 

このようにクサシギの雛は保護色を持ち、外敵に気付かれないような綿毛を持ちます。

一つの巣にメスは最大4個の卵を産み、昼はメス・夜はオスといった具合に一夫一妻で交代に抱卵を行います。

卵は20~23日ほどで孵化し、ニワトリのヒヨコのように産まれたてでも素早く歩くことが可能です。

営巣地は全て樹上で行い、他の鳥が残した巣を積極的に再利用します。

 

クサシギの巣立ちは非常に早いことで有名です。

 

孵化後28日もすると雛時代の綿毛がぬけ、完全な幼鳥となります。

この時点でアッサリと巣立ちしてしまうのです。

 

雛・幼鳥の特徴ですが、幼鳥は親鳥の冬羽とほぼ変わらない様相をしています。

 

特筆すべきは雛の外的特徴であり、孵化直後は全身が綿毛に包まれ、頭上には赤褐色の斑点を持ちます。

背中の真ん中にある黒線から翼の方へ黒褐色の線が無数に走り、脚の周りは褐色斑が認められます。

その反面腹部は真っ白で、胸にある羽の付け根周辺はすすけた黒色を持ちます。

全体的にまだら模様で、目を凝らさないと雛の姿を発見できないほど、擬態能力が高いのです。

 

クサシギはすくすくと育ち平均体長22cmほどの中型鳥になります。

 

余程の事がない限り最大でも体長24cmほどで成長が止まります。

これ以上、大きな個体は飛ぶことが困難になるので、最大サイズはほぼこれくらいと考えてよいでしょう。

 

次は、クサシギの鳴き声(さえずり)の特徴についてお伝えします。

 

クサシギの鳴き声(さえずり)の特徴は?

 

クサシギの鳴き声(さえずり)はそこまでバリエーション豊富ではありません。

 

群れを作らず「渡り」や「繁殖期」以外は単独行動を取るので、鳴き声もあまり発しない種類のシギです。

 

クサシギは鋭い金切り声で「キュピィ」「チュリー」などと鳴く他、飛び立つ際には2~3回「キュイキュキュキュキュキュ」と繰り返します。

オスの方が若干バリエーションが多く、「キュイピピ」「チュイピピ」などとさえずります。

 

それでは、クサシギは何を餌(食べ物)にしているのかについてお伝えします!

 

クサシギは何を餌(食べ物)にしているの?

 

画像はドジョウ?を見事にしとめたクサシギです。

 

クサシギは基本的に肉食性傾向が極めて高い鳥類です。

 

干潟などに生息するカニ・エビなどの甲殻類・そして写真の様な魚類・その他水棲昆虫や巻貝・カエルなど餌のレパートリーは非常に豊富です。

自然死した死骸などから胃の内容物を調べると、草木の種子も発見できます。

このため“完全肉食性”ではありませんが、種子を食べる割合は他の動物のそれと比べ極端に少ないので“大部分が肉食傾向の強い雑食性”と表した方がいいのかもしれません。

 

それでは次に、クサシギの性別雌雄(メスオス)の見分け方をお伝えします!

 

クサシギの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?

 

クサシギはオスメスが完全な同一色であり、その見た目からはほとんど性別判定が不可能です。そのため鳴き声や求愛行動などで判別して下さい。

 

クサシギは単独行動を送りますが、2羽寄り添っており仲睦まじい様子が見られたら間違いなくペアでしょう。

ペアを作る時は繁殖期なので、その行動を注意深く観察して下さい。

オス個体は樹上でさえずり身を震わす羽ばたきを行い、それを止めた瞬間に滑空下降を繰り返すという『スイッチバック方式』で旋回しメスに求愛を行います。

それを見たメスは尾羽を上げるので“ペア”の場合はその様子で判別することができます。

 

またペアでなくても鳴き声で判別することができます。

 

クサシギは「キュピィ」「チュリー」などと鳴き、飛び立つ際は23回「キュイキュキュキュキュキュ」と繰り返し飛翔します。

オスは更に鳴き声が足され「キュイピピ」「チュイピピ」などの共通した鳴き声の他、メスよりオスの方が鳴き声のレパートリーが更に多くなるのが特徴です。

 

ペアで巣作り・産卵まで至った場合は基本的に(※多少のずれはあるかも知れませんが)昼に抱卵するのがメス・夜間に抱卵するのがオスという明確な差が見て取れます。

完全な雌雄同一色なので、この様に生態的特徴から推測する以外ないでしょう。

 

最後に、クサシギとイソシギやハマシギやタカブシキやキアシシギとの違いや見分け方(識別方法)はなにかをお伝えします!

 

クサシギとイソシギやハマシギやタカブシギやキアシシギとの違いや見分け方(識別方法)はなに?

 

画像がクサシギとなります。

 

シギ科の鳥はかなり似ている種類が多く、度々誤認されてしまいます。

よほどバードウォッチングに慣れた熟練者でないと、その見分け方は極めて困難でしょう。

 

まず最も見分けがつきやすい『クサシギ』と『キアシシギ』について説明していきます。

 

キアシシギの写真になります。

 

クサシギ・キアシシは共にその大きさ・体長はほとんど変わりません。

 

それどころかクサシギは基本的に単独行動なので、キアシシギなど他のシギの仲間に紛れ込んでしまう事が多くあります。

判別方法はその“脚部”一カ所に集中すれば、確実に間違えることはありません。

名前の通りキアシシギは真っ黄色な脚部を持ち、クサシギのくすみがかった緑褐色の足と見比べるとその差は一目瞭然です。

このキアシシギはクサシギとほぼ同じライフサイクルを行い、春と秋の2シーズンにかけ日本にやってきます。

大多数は旅鳥ですが九州地方など温暖な地域では越冬をする事もあり、渡り鳥の一面を持つのも非常にそっくりですよね?

 

他のシギの仲間にも、これほど脚部が真っ黄色な種類は珍しいので、容易にその判別がつくでしょう。

 

写真はイソシギを写したものです。

 

クサシギとイソシギも良く似ていますが、見分け方は2点のみです。

 

イソシギは九州以北に生息する留鳥で、渡り鳥・旅鳥の特徴は一切持ちません。

本州中部以北の個体群は冬になると国内南方に向けて移動しますが、完全な旅鳥・渡り鳥であるクサシギとは決定的な違いを持ちます。

また上記写真で分かるように、クチバシ基部から目を通り後頭部へと続く暗褐色のライン(※過眼線といいます)がクッキリしていますよね?

この過眼線の長さで見分ける事が可能です。

 

ハマシギの冬羽の画像です。

 

ハマシギの夏羽の画像です。

 

ハマシギとクサシギの見分け方は夏期が最も容易です。

 

ハマシギの夏羽は頭部と羽根が赤褐色に染まり、更には腹部が黒くなります。

クサシギを始めとする他のシギ類とはほぼ別物で、気温の高い季節は容易に見分けがつくでしょう。

また鳥類学者により国内に渡る渡り鳥・旅鳥のほとんどが、アメリカ大陸北部のツンドラ地帯で繁殖を行った個体群という事が明らかになっています。

冬羽の際はかなり他種と見分けがつきにくいのですが、ハマシギは国内で最もよく見られるシギの仲間です。

クサシギの様に単独行動はせず、最大で数千匹単位の大群を作るので単独行動を取るクサシギとは真逆の性質を持ちます。

「群れをなすかどうか?」という点でも見分ける事が可能です。

 

タカブシギの写真です。

 

クサシギが羽を広げた写真。

 

最期にタカブシギとクサシギの違いと見分け方についてご説明します。

 

この2種は国内に渡来するシーズンや、その特徴も非常に酷似します。

そのため干潟などで餌をついばんでいる姿からは、なかなか判別が難しいでしょう。

クサシギとタカブシギの相違点はただ一点、飛翔した時のみ見分けることが可能です。

クサシギの翼下部(※羽の裏側)が黒色に対し、タカブシギは真っ白となります。

バードウォッチングをする際は小さな羽ばたきでさえ見逃さないようにし、その翼下部で判別して下さい。

 

この様に日本にやってくるシギの仲間は多種多様で、本記事では取り上げられなかった種類も無数に存在します。

シギ科の鳥の見分け方は今後のバードウォッチング、そして種類の同定の試金石になる事でしょう。

 

それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!

 

クサシギのまとめ!

 

いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは8個ありました。

覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!

 

①クサシギの画像(写真)!冬の羽や夏の羽や飛翔の特徴は?学名や英語名はなに?

クサシギは関東以南・以北に冬鳥・旅鳥として、主にユーラシア大陸から渡来します。

春と秋に越冬するため全国に及ぶ渡来地は、関東以南では冬鳥として越冬し関東以北では休息を取るための旅鳥として観察することが可能です。

そのため国内でも“冬羽”と“夏羽”のクサシギの両者を観察することが可能です。

「冬の羽(冬羽)」「夏の羽(夏羽)」の特徴は、腹部から広がる白模様と茶褐色が占める割合で判別します。

クサシギの冬羽は腹部に僅かな白みがかり灰色のライン程度ですが、夏羽になると茶褐色模様が翼先端にのみ発現し、それ以外の部分が白色若しくは灰色に染まります。

その飛翔方法にもかなりの特徴があり、基本的に直線飛行を行う変わった飛翔方法を取ります。

また、羽ばたきはほとんど行わずに、翼を固定し滑空することが大半となります。

クサシギの学名は『Tringa ochropus』と言い、英語名は『Green Sandpiper』と呼ばれています・

 

②クサシギの生息地(分布)はどこなの?どの季節で見ることができる?

国内のみで生息地を見ると、クサシギは北海道から沖縄県まで全国各地で見ることが可能です。

クサシギは夏期にはユーラシア大陸北部の広大なツンドラ地帯で繁殖を行います。

その後、冬季はインド・アフリカ大陸・中東地域・中国南部地域・東南アジア諸国など広範囲に渡り越冬します。

日本国内…特に九州地方では国内越冬個体群も確認されており、関東以北では渡りの途中に立ち寄るだけの旅鳥という位置づけになります。

春と秋に日本に渡ってきますが、関東以南の温暖な地域では冬越しをする場合もあります。

国内で観察したい方は春季・秋季がベストな時期であり、運が良ければお住まいの地域で越冬個体も見ることができるでしょう。

 

③クサシギの寿命はどれぐらい?繁殖地や冬越地や繁殖期はいつなの?

野性下でのクサシギの寿命は、かなり不明です。

他のシギ類の平均寿命が8~10年ほどなので、クサシギの寿命も概ね同様でしょう。

記録されている飼育下のクサシギの長寿記録は15年ですので、野生個体も潜在的にそれに倣った寿命を持つと推測されます。

クサシギの主生息地はユーラシア大陸北部のツンドラ地帯であり、夏季にはそこで産卵・子育てを行います。

越冬地は世界中に点在し、驚くほどの移動距離を誇ります。

日本国内の越冬地は関東以南から始まり、更にはインド・アフリカ大陸・中東地域・中国南部地域・東南アジア諸国と世界各国に及びます。

 

④クサシギの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?

雛は保護色を持ち、一見ではとてもではありませんがその存在には気付かず、上手くカモフラージュする綿毛を持ちます。

メスは最大4個の卵を産み、昼はメス・夜はオスと一夫一妻で交代に抱卵を行います。

20~23日ほどで孵化し初期の雛はまるで、ニワトリのヒヨコのように産まれた瞬間、素早く歩くことが可能です。

営巣地は全て樹上であり、他の鳥が残した巣を積極的に再利用します。

クサシギの巣立ちは非常に早いことで有名です。孵化後28日間もすると雛時代の綿毛がぬけ、完全な幼鳥となります。

この時点でアッサリと巣立ちしてしまうのです。

雛・幼鳥の特徴ですが、幼鳥は親鳥の冬羽とほぼ変わらない様相をしています。

雛の外敵特徴は、孵化直後は全身が綿毛に包まれ、頭上には赤褐色の斑点を持ちます。

背中の真ん中にある黒線から翼の方へ黒褐色の線が無数に走り、脚の周りは褐色斑が認められます。

身体の下側は真っ白で、胸にある羽の付け根周辺はすすけた黒色を持ちます。

全体的にまだら模様で上手く存在を消しており、凝視しないと雛の姿は発見できません

成鳥になると平均体長22cmほどの中型鳥になります。

余程の事がない限り最大でも体長24cmほどで成長が止まります。

これ以上、大きくなると飛翔が困難になるので、クサシギの最大値はこれくらいと考えて下さい。

 

⑤クサシギの鳴き声(さえずり)の特徴は?

クサシギは単独行動で群れを作らず「渡り」や「繁殖期」以外は一羽で過ごすので、鳴き声もあまり発しません。

鳴き声は時折、鋭い金切り声で「キュピィ」「チュリー」などと鳴く他、飛び立つ際には23回「キュイキュキュキュキュキュ」と繰り返します。

オスの方が若干バリエーションが多く、「キュイピピ」「チュイピピ」とさえずります。

 

⑥クサシギは何を餌(食べ物)にしているの?

クサシギは肉食傾向が高い鳥類です。

カニ・エビなどの甲殻類・魚類・その他水棲昆虫や巻貝・カエルなど餌のレパートリーはかなり豊富です。

自然死した死骸などから胃の内容物を調べると、草木の種子も発見できました。

“完全肉食性”ではありませんが、種子を食べる割合は極端に少ないので“クサシギの多くが肉食傾向が強い雑食性”と呼べるでしょう。

 

⑦クサシギの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?

オスメスが完全な同色であり、大きさもさほど変わらず見た目からの性別判定はほぼ不可能です。

鳴き声や求愛行動などクサシギ独自の行動で判別します。

クサシギは単独行動を送りますが、2羽が寄り添い仲睦まじい様子が見られたら間違いなくペアです。

ペアを作る時は繁殖期なので、その行動を注意深く観察しましょう。

繁殖期にオス個体はさえずり、体を震わす羽ばたきを行い、それを止めた瞬間に滑空下降を繰り返す『スイッチバック方式』で旋回し求愛を行います。

それを見たメスは尾羽を上げるので“ペア”の場合はその様子で判別することができます。

ペア以外の判別方法はその鳴き声です。

クサシギは「キュピィ」「チュリー」と鳴き、飛び立つ時は23回「キュイキュキュキュキュキュ」と鳴き声を上げます。

オスは更に鳴き声が足され、「キュイピピ」「チュイピピ」と良くさえずり、メスよりオスの方が鳴き声のレパートリーが多いのが特徴ですね。

このオスだけが持つさえずりが、雌雄判別で初歩的な部分でしょう。

また。巣作り・産卵まで至った場合は基本的に昼に抱卵するのがメス・夜間に抱卵するのがオスという明確な差があります。

完全な雌雄同一色なので、この様に生態的特徴から推測する以外ないでしょう。

 

⑧クサシギとイソシギやハマシギやタカブシギやキアシシギとの違いや見分け方(識別方法)はなに?

クサシギ・キアシシギの半別方法はその脚の色です。

“脚部”一カ所に集中すれば、まず確実に間違えることはありません。

名前の通りキアシシギは真っ黄色な脚部を持ち、クサシギのくすみがかった緑褐色の足と見比べると差は歴然です。

イソシギとも良く似ていますが、見分け方は2点だけです。

イソシギは九州以北に生息する留鳥で、渡りは行いません。

本州中部以北の個体群は冬になると国内南方に向けて移動しますが、国々を渡り歩く旅鳥・渡り鳥であるクサシギとは決定的な違いです。

また。クチバシ基部から目を通り後頭部へと続く暗褐色のライン(※過眼線といいます)がクッキリしています。

この過眼線の長さで見分ける事も可能です。

ハマシギとクサシギの見分け方は夏期が最も容易です。

ハマシギの夏羽は頭部と羽根が赤褐色に染まり、更には腹部が黒くなります。

クサシギを始めとする他のシギ類とはほぼ別物で、気温の高い季節は容易に見分けがつくでしょう。

冬羽の際はかなり他種と見分けがつきにくいのですが、ハマシギは国内で最もよく見られるシギの仲間です。

クサシギの様に単独行動はせず、万単位の大群を作るので…「群れをなすかどうか?」で見分けて下さい。

最期にタカブシギとクサシギの違いと見分け方です。

クサシギとタカブシギの相違点はただ一点、飛翔した時のみ見分けることが可能です。

クサシギの翼下部が黒色に対し、タカブシギは真っ白となります。

バードウォッチングをする際は小さな羽ばたきでさえ見逃さないようにしましょう。

 

それでは今回はこれで失礼します。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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