みなさんこんにちは。
本日は、クイナ(野鳥)の生態についてまとめていきたいと思います。
『クイナ』は“ツル目クイナ科クイナ属”に分類される野鳥です。
同じ科に分類される「ヒクイナ」と混同されがちですが、ヒクイナはヒクイナ属に分けられており、姿形や体色を見るとその差は一目瞭然です。
“漂鳥”と呼ばれており、季節により日本国内を移動することが確認されています。
なかなか姿を見つけにくい野鳥ですが絶滅の可能性は全くなく、注意深く観察すると主に河川や水田などでよく見られ「水場」などの周辺にひっそりと暮らす鳥です。
そのずんぐりっむくりの体型から、人間側・愛鳥家からはかなり愛されている野鳥でもあります。
今回は、クイナ(野鳥)についてのポイント、
以上8個の点についてお伝えします。
それでは、クイナ(野鳥)の写真(画像)を見ていきましょう!
目次
クイナの画像(写真)!冬の羽や巣の特徴は?飛べないの?学名や漢字や英語名はなに?名前の意味や由来は?
上の写真がクイナです。
クイナは1年に1回ほど“換羽を行います。
ただその換羽方法が独特で、地上生活が主体のクイナは一時的にですが飛翔能力を失う「全身完全換羽」を行うのです。
子育てが終わり秋・冬場に差し掛かる前の準備段階…つまり7~8月頃がクイナの換羽の最盛期となります。
ただ劇的な見た目の変化は乏しく、冬の羽根の色は全く変化しません。
クイナは葦原や草原などに、枯れ木や落ち葉を集めてできた簡素な“お皿の様な”巣を作り上げます。
冒頭でクイナは漂鳥と言いましたが、大陸側から越冬するために冬場は国内本州以南の地域に飛来する「渡り鳥」の一面ももちます。
日本国内で飛べない鳥はただ一種“沖縄県山原地方”の『ヤンバルクイナ』しかいません。
クイナ自身もほぼ飛ぶことはなく2足歩行で水場周辺をウロウロすることがほとんどですが、実際に冬場のロシアや中国から国内に渡ってくるケースもあるので、十分飛ぶことが可能です。
クイナの学名は「Rallus aquaticus Linnaeus」漢字では「水鶏・秧鶏・水雉」と表記し、英名は「Water Tail」と呼ばれています
和名はクイナ自身には全くその由来はありません。
先ほど紹介した「ヒクイナ」から派生し、その鳴き声の「クヒッ」の「ク」の部分が強調され、「クッ!」といななく様子から『クイナ』という名が名づけられたと言われています。
次に、クイナ(野鳥)の生息地(分布)はどこなのかについてお伝えします。
クイナの生息地(分布)はどこなの?石垣島にいる?どの季節で見ることができる?
写真は沖縄県に生息するクイナ(♀)です。
クイナは北は北海道。南は沖縄県と全国各地で目にできる野鳥です。
冬越しのため、毎年10月から翌年の3月頃まで、関東以南に生息場所を移します。
それ以外の季節では関東以北に常駐しており、北日本のあちこちで見ることが可能です。
この期間に繁殖を行い新たな命を繋ぐことが知られています。
そのため“クイナ”を見ることができるのは4月から9発頃までは関東以北の北日本、その他の季節は関東以南の南日本と考えた方が良いでしょう。
また、表題の“石垣島”ですが…たまに迷鳥として飛来した記録はありますが、どうやら定着はしていないようです。
その代り“石垣島”には変わった鳥(珍鳥)と呼ばれる『シロハラクイナ』『オオクイナ』『ツルクイナ』が存在します。
こちらが最も物おじせず、観察も容易な『シロハラクイナ』です。
その名の通り頭部の大半から胸部にかけ、白い羽毛で覆われています。
他の2種は非常に神経質であり滅多に人前にその姿を見せません。
次に、クイナ(野鳥)の寿命はどれぐらいなのかについてお伝えします。
クイナの寿命はどれぐらい?繁殖地や繁殖期はいつなの?
写真は“クイナ”が産み落とした卵です。
クイナの寿命は夜行性の性質・人前に姿を現さない臆病さからハッキリと正確には判明していません。
ただ飼育下では最長15年生きた例があり、長寿な鳥と言っても良いでしょう。
一例では天敵が多い過酷な野生下では4~5年・数年間と言われています。
クイナの繁殖地は暖かい季節に限定されるので、そのほとんどが北日本となります。
地上の草むらやヨシの木などが覆い茂った場所に、お椀状の簡易な巣を作り4~5個ほど産卵します。
繁殖期は一般に冬越しする時期を除いた4月~9月頃です。
この期間には一度の産卵に留まる個体もいれば、最大3回産卵するペアも存在します。
次は、クイナ(野鳥)の雛(幼鳥)の特徴についてお伝えします。
クイナの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?
写真はクイナの親子です。
クイナの雛(幼鳥)の特徴はまずその体色でしょう。
雛のふんわりとした羽毛は全身真っ黒です。
卵はオスメス交代で暖め、約20日ほどで孵化に至ります。
その後の餌やりなど雛の面倒もオスメス共に行い、しっかりと歩けるようになるまでかいがいしく世話をし続けます。
驚くべきは雛の成長スピードで、僅か2~3日で巣立ちをし、生後1ヶ月になると性成熟します。
この生後1ヶ月で黒い綿毛はすっかりと生え代わり、ほぼ親と同じ羽毛に生え変わってしまうのです。
成鳥になったクイナは全長約20~30cm、翼を広げた大きさは40cmほど…そして体重は100~200gまで育ち上がります。
普段は夜行性に近い性質、そして極端に神経質な性格をしているので中々大きさを推し測ることができません。
イメージ的に合致する身近な野鳥では“ハシブトガラス”とほぼ同じ大きさにまで成長し続けるそうです。
次は、クイナ(野鳥)の鳴き声(さえずり)の特徴についてお伝えします。
クイナの鳴き声(さえずり)の特徴は?
クイナは可能な限り身を潜める性質があるので、その鳴き声(さえずり)は滅多に耳にしません。
人気や外敵の少ない夕方から早朝が最も鳴き声を聞きやすい時間帯です。
「クイン、クイン、クイン…」と途切れなく鳴くのが基本の鳴き声です。
他には「クイーッ」や「ケッケッケッケ…、キィッ・キィッ・キィッ」など様々な声を発することが知られています。
それでは、クイナ(野鳥)は何を餌(食べ物)にしているのかについてお伝えします!
クイナは何を餌(食べ物)にしているの?
写真は川魚を捕えたクイナです。
クイナの食性は雑食性です。
ほぼ口に入るサイズの水辺の動植物を何でも食べてしまいます。
植物食として植物の種子や茎・葉、水草などを捕食します。
動物食としては各種昆虫類・クモ類・エビやカニなどの甲殻類・魚類・カエル等の両生類・ミミズなどの軟体動物など、非常にバラエティに富みます。
それでは次に、クイナ(野鳥)の性別雌雄(メスオス)の見分け方をお伝えします!
クイナの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
写真がクイナのつがいとなります。
クイナはかなり性別を断定するのが困難な鳥類です。
雌雄全く同色であり、見た目からは判別することは不可能です。
オスの方が若干ですが大柄になります。
雄のクチバシの長さは39~43mm・雌は34~39 mm、翼長は雄127~136 mm・雌 120~126 mm、跗蹠(かかとから足の付け根までの長さ)は雄38~43 mm・雌 36~39 mm。
かなりわずかな差ですが、目視で判断するにはこの方法以外ないでしょう。
最後に、クイナ(野鳥)の種類や品種はなにがあるのかをお伝えします!
クイナの種類や品種はなにがあるの?オオバンやヒクイナやヤンバルクイナとの違いはなに?
写真が「オオバン」の成鳥です。
クイナの種類は全世界に約130種以上存在します。
国内生息種は本来10種いましたが、1889年に硫黄島で初めて発見された『マミジロクイナ』は既に絶滅してしまいました。
残りの9種類は今回紹介した『クイナ』…そして世界的に有名な『ヤンバルクイナ』、一般種である『ヒクイナ』『ヒメクイナ』『オオクイナ』、完全な水鳥である『バン』『オオバン』、沖縄以南の熱帯地方に住む『シロハラクイナ』『リュウキュウクイナ』です。
クイナとオオバン・ヒクイナ・ヤンバルクイナとの違いは、そもそも分類が異なります。
“ツル目クイナ科”までは共通項なのですが、先にお話した様にクイナは『クイナ属』に分類されます。
オオバンは『オオバン属』ヒクイナは『ヒメクイナ属』ヤンバルクイナは『ニュージーランドクイナ属』と分類上の観点から大きな差があります。
クイナと他3種類の間に体長など大きさの差はほとんどありません。
オオバンとクイナの明確な違いは、その生活圏と体色です。
オオバンは真っ白なクチバシに真っ黒な体色を持ち、一目でクイナと見間違えることはまずありません。
また主に陸上で生活するクイナと比較し、オオバンはほぼ完全な水鳥となります。
ヒクイナとクイナの違いも、その体色で見分けられるでしょう。
写真はヒクイナの成鳥です。
クイナはクチバシにやや赤みがかかりますが、ヒクイナのクチバシは黒褐色をしています。
脚部もやや地味な色のクイナに比べ、ヒクイナはかなり赤みが増します。
最大の違いはその顔から腹部にかけての色味でしょう。
ヒクイナはオレンジ色に近く、クイナは完全な灰褐色です。
クイナとヒクイナは生活圏も被り大きさもほぼ変わらないので、かなり誤認が大きくなります。
写真は木に昇り休息を取るヤンバルクイナです。
クイナとヤンバルクイナの違いは歴然で、生態的特徴と分布域…見かけ上で容易に判別ができます。
ヤンバルクイナは沖縄県北部の山原(やんばる)地方にしか生息しておらず、日本で唯一の“飛べない鳥”です。
そのためハブなどの天敵から身を隠すために、クイナの仲間としては珍しく木に登り休むという立体行動を取ります。
反対にクイナは国内外を渡るほど飛翔能力を兼ね備え、湿地帯の芦林などを平面的に移動するのです。
この様に同じクイナの仲間の間でも、その生態・生息地にかなりのバラエティが見られるのが、クイナという鳥類になります。
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
クイナ(野鳥)のまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは8個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①クイナの画像(写真)!冬の羽や巣の特徴は?飛べないの?学名や漢字や英語名はなに?名前の意味や由来は?
クイナは年に1回、換羽期を迎えます。
独特な換羽方法である「全身完全換羽」を行い、一時的に飛翔能力を失う事さえあります。
7~8月頃が換羽の最盛期です。
繁殖期には枯れ木や落ち葉を集めてできた“お皿の様な”巣を作ります。
国内では漂鳥ですが、大陸側から越冬するという「渡り鳥」の一面ももちます。
日本で飛べない鳥は『ヤンバルクイナ』しか存在しません。
クイナも余り飛ばず2足歩行で水場周辺を探索することが主ですが、冬場にはロシアや中国から国内に渡ってもくるので十分飛ぶことが可能です。
学名は「Rallus aquaticus Linnaeus」漢字では「水鶏・秧鶏・水雉」と表記し、英名は「Water Tail」と呼ばれています
和名は「ヒクイナ」から派生し、その鳴き声の「クヒッ」の「ク」の部分が強調され、「クッ!」といななく様子から『クイナ』という名が名づけられたと言われています。
②クイナの生息地(分布)はどこなの?石垣島にいる?どの季節で見ることができる?
北は北海道。南は沖縄県と全国各地が生息地(分布)となります。
毎年10月から翌年の3月には関東以南に生息場所を移します。
それ以外の季節では関東以北に常駐しており、北日本のあちこちで見ることが可能です。
“クイナ”を見ることができるのは4月から9発頃までは関東以北の北日本、その他の季節は関東以南の南日本に分かれます。
“石垣島”には、稀に迷鳥として飛来しますが、定着は不可能です。
“石垣島”には他のクイナ『シロハラクイナ、』『オオクイナ』『ツルクイナ』の3種が生息します。
③クイナの寿命はどれぐらい?繁殖地や繁殖期はいつなの?
繁殖地は暖かい季節に限定されるので、大半が北日本となります。
草むらやヨシの木などが覆い茂る場所に、お椀状の簡易な巣を作り4~5個ほど産卵します。
繁殖期は一般に冬越し以外の4月~9月頃です。
この期間には一度の産卵に留まる個体もいれば、最大3回産卵するペアも存在します。
④クイナの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?
雛(幼鳥)の特徴はその体色です。
身体全体が真っ黒な羽毛に包まれています。
雛の成長は非常に早く、僅か2~3日で巣立ちをし、生後1ヶ月経つと性成熟します。
この時点で黒い綿毛は全て生え代わり、ほぼ親と同じ羽毛に生え変わります。
成鳥のクイナは全長約20~30cm、翼を広げた大きさは40cmほど…そして体重は100~200gにまで成長します。
⑤クイナの鳴き声(さえずり)の特徴は?
可能な限り身を潜める性質を持つので、鳴き声(さえずり)は滅多に発しません。
夕方から早朝が最も鳴き声を聞きやすい時間帯です。
「クイン、クイン、クイン…」と途切れなく鳴くのが基本の鳴き声です。
他には「クイーッ」や「ケッケッケッケ…、キィッ・キィッ・キィッ」など様々な声を発することが知られています。
⑥クイナは何を餌(食べ物)にしているの?
食性は雑食性であり、口に入るサイズの動植物を何でも食べてしまいます。
植物食として植物の種子や茎・葉、水草などを捕食します。
動物食としては各種昆虫類・クモ類・エビやカニなどの甲殻類・魚類・カエル等の両生類・ミミズなどの軟体動物など、非常にバラエティに富みます。
⑦クイナの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
かなり性判別が難しくなります。
雌雄同色であり、外見から判別することは不可能です。
オスの方が若干ですが大柄になります。
雄のクチバシの長さは39~43mm・雌は34~39 mm、翼長は雄127~136 mm・雌 120~126 mm、跗蹠(かかとから足の付け根までの長さ)は雄38~43 mm・雌 36~39 mm。
かなりわずかな差ですが、目視で判断するにはこの方法以外ないでしょう。
⑧クイナの種類や品種はなにがあるの?オオバンやヒクイナやヤンバルクイナとの違いはなに?
クイナは全世界に約130種以上存在します。
国内生息種は本来10種いましたが、1889年に硫黄島で発見された『マミジロクイナ』は完全絶滅しています。
残りの9種類は『クイナ』…そして有名な『ヤンバルクイナ』、一般種である『ヒクイナ』『ヒメクイナ』『オオクイナ』、水鳥である『バン』『オオバン』、沖縄以南の熱帯地方に住む『シロハラクイナ』『リュウキュウクイナ』です。
クイナとオオバン・ヒクイナ・ヤンバルクイナとの違いは、そもそも分類が異なります。
“ツル目クイナ科”までは同じですが、クイナは『クイナ属』に分類されます。
オオバンは『オオバン属』ヒクイナは『ヒメクイナ属』ヤンバルクイナは『ニュージーランドクイナ属』と分類学上に隔たりがあります。
クイナと他3種類の間に体長など大きさの差はほとんどありません。
オオバンとクイナの明確な差は、その生活圏と体色です。
オオバンは真っ白なクチバシに真っ黒な体色を持ち、クイナと見間違えることはまずないでしょう。
また主に陸上で生活するクイナと比較し、オオバンはほぼ完全な水鳥となります。
ヒクイナとクイナの違いも、その体色で見分ける事が可能です。
クイナはクチバシにやや赤みがかかりますが、ヒクイナのクチバシは黒褐色をしています。
脚部もやや地味な色のクイナに比べ、ヒクイナはかなり赤みが増します。
最大の違いはその顔から腹部にかけての色味であり、ヒクイナはオレンジ色に近くクイナは完全な灰褐色です。
クイナとヒクイナは生活圏も被り大きさもほぼ変わらないので、かなり誤認が大きくなります。
クイナとヤンバルクイナの違いは歴然で、生態的特徴と分布域、そして見かけ上で容易に判別ができます。
ヤンバルクイナは沖縄県北部の山原(やんばる)地方にしか生息しておらず、日本で唯一の“飛べない鳥”です。
そのためハブなどの天敵から身を隠すために、クイナの仲間としては珍しく木に登り休むという立体行動を取ります。
反対にクイナは国内外を渡るほど飛翔能力を兼ね備え、湿地帯の芦林などを平面的に移動します。
この様に同じクイナの仲間の間でも、その生態・生息地にかなりのバラエティが見られるのが、クイナという鳥類になります。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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