【カツオドリ(ガネット)の生態!】生息地や失明後の生活について等9個のポイント!








 

みなさんこんにちは。

本日は、カツオドリ(ガネット)の生態についてまとめていきたいと思います。

 

カツオドリというと子供の頃、図鑑などでご覧になった方も多いのではないでしょうか?

ただ、その生態や特徴となると余り説明ができない……そんなポジションの鳥類です。

このカツオドリ…深く調べていくにつれ、筆者も驚くほど興味深い動物でした。

 

今回は、カツオドリ(ガネット)についてのポイント、

①カツオドリ(ガネット)の画像(写真)!目や足の色等の特徴は?英語でなんていうの?名前の由来は?
②カツオドリ(ガネット)は失明してしまうことで有名なの?失明後はどう生活するの?
③カツオドリ(ガネット)の生息地(分布)はどこなの?日本の動物園にいるの?どの季節で見ることができる?
④カツオドリ(ガネット)の寿命はどれぐらい?繁殖期はいつなの?
⑤カツオドリ(ガネット)の雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長に成長するの?
⑥カツオドリ(ガネット)の鳴き声(さえずり)の特徴は?
⑦カツオドリ(ガネット)は何を餌にしているの?
⑧カツオドリ(ガネット)の性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
⑨カツオドリ(ガネット)の種類や品種はなにがいるの?アホウドリとの違いや見分け方は?

 

以上9個の点についてお伝えします。

それでは、カツオドリ(ガネット)の写真(画像)を見ていきましょう!

 

カツオドリ(ガネット)の画像(写真)!目や足の色等の特徴は?英語でなんていうの?名前の由来は?

 

カツオドリ(ガネット)の親子です。

 

カツオドリ(ガネット)は英語で「Brown booby」と表記されますが、この呼び方は英語圏ではややかしこまっており、俗称の「Gannet」と呼ばれることが多いようですね。

 

カツオドリ(ガネット)はかなりの巨大海鳥であり、翼開長は1m・全長も70cmを超えます。

それに加え頭部から頸部・羽根を経て尾羽まで特徴的な「黒褐色」を持ち、頬付近は濃い黄色や緑味がかりクチバシと腹部は真っ白と一目見て忘れられない独特な風貌を持ちます。

足の根元は白い羽毛に包まれ濃い黄色をしており、その目は他の鳥と異なり黒一辺倒ではなく、非常に目立つ黒目を持ちます。

 

赤道及び南半球のインド洋・大西洋・太平洋の3海域に広く生息し、国内でも沖縄以南の南西諸島での定住個体群が多く観測されています。

 

カツオドリ(ガネット)と呼ばていますが、実はカツオのような巨大魚は主食としません。

カツオ漁師の漁獲の際の指標生物として古くから知られており、カツオに追われたイワシサイズの魚類を主食としており、本来はカツオとカツオドリ(ガネット)は同じ獲物を狙うライバルです。

そのためカツオドリ(ガネット)が集まる海面下にはカツオも必然的に多く、カツオ漁師にとって海上にいる本種の群れがカツオ漁の格好の目安となったことからこの名がつきました。

元々は本種だけが「カツオドリ」と呼ばれていた訳ではなく、魚群探知機がないような古い時代にカツオに追われた小魚を狙う鳥類全般の、ある意味あだ名のようなものでした。

その呼称が現在まで残り、いつの間にか本種のみ「カツオドリ(ガネット)」と呼称されるに至ります。

 

カツオドリ(ガネット)は海面と平行に実に器用に長距離飛行をするのですが、体重が重すぎるため、その前段階にかなり苦労します。

鳥類としては体重があまりに重いため、島の傾斜地などを「滑走路」として助走をつけなければ飛び立つことができません。

着陸の際も怪我をしないよう最新の注意を払うようで、離陸と着陸…この2点が不得手な珍しい鳥とも言えるでしょう。

 

餌は前述のイワシサイズの魚類が大半を占め、時折イカなどの軟体動物も捕食します。

人間の船に煽られたトビウオに群がる姿も生息地周辺では頻繁に見られ、人とは図らずとも「共生関係」のような良好な付き合い方をしているようですね。

 

そのような生態が功を奏したのでしょうか、カツオドリ(ガネット)の保全状況はレッドリストの最下位…つまり低危険種(絶滅の恐れなし)に落ち着いています。

カツオドリ(ガネット)は巨大海鳥としては珍しく、人間と良好な関係を持ち続けているのです。

 

また、繁殖行為だけなら極めて数例ですが本土の兵庫県・京都府・鹿児島県等でも確認されており、デリケートな種類が多い海鳥の中でも例外的に生息・繁殖環境に融通が効く種類とも言えます。

 

亜種が多く現在確認されているだけで4亜種「アカアシカツオドリ」「アオツラカツオドリ」「ペルーカツオドリ」そしてガラパゴス諸島にのみ生息し、餌の影響で得意的に足が青くなる「アオアシカツオドリ」が広く知られています。

また近縁に「シロカツオドリ属」「モモグロカツオドリ属」が挙がり、かなり多種多様です。

 

本記事においてカツオドリ(ガネット)は、英名「Brown booby」学名「Sula leucogaster」についてご説明していこうと思います。

学名の「Sula」はカツオドリ属を表し「leucogaster」は“白い腹の”という意味を持つので、腹部が白いカツオドリ属を指しています。

 

次は、カツオドリ(ガネット)は失明してしまうことで有名なのかについてお伝えします。

 

カツオドリ(ガネット)は失明してしまうことで有名なの?失明後はどう生活するの?

 

トビウオを捕食するカツオドリ(ガネット)です。

 

カツオドリ(ガネット)は巣立ち後は単独で狩りをしなければ生きていけません。

その狩りの方法は海面付近を飛び回り、獲物となる魚類を見つけると上空から直滑降し、あっという間に捕獲するというものです。

 

水面は高さや落ちるスピードにより、コンクリート程の固さになります。

そのために、この狩りを繰り返し続けるカツオドリは自身の重さも相まって頭部に相当なダメージを受けてしまうのです。

結果として一番脆弱な眼球にダメージが蓄積し、網膜剥離を起こしてしまい、やがて失明するに至ります。

 

海水への入射角度や羽根の折りたたみのタイミングがずれると、頚椎骨折などを起こし即死するケースもあり、その狩りのスタイルは別名「死のダイビング」とも言われるほどです。

 

残念ながら失明後は狩りを含めた通常の生活は一切送れなくなり、死を待つのみです。

 

それでは次に、カツオドリ(ガネット)の生息地(分布)はどこなのかをお伝えします!

 

カツオドリ(ガネット)の生息地(分布)はどこなの?日本の動物園にいるの?どの季節で見ることができる?

 

カツオドリ(ガネット)の生息地は主に亜熱帯・熱帯性機構の海域であり、必然的に赤道以南に集中します。

3大海域である「インド洋」「大西洋」「太平洋」はもちろん、それに付随した小海域にも分布し、生息地はかなりの広域に渡ります。

 

種により生息地帯はバリエーションに富みますが、大抵は集団のコロニーを作り、傾斜のある島々を好むようです。

 

日本国内にも生息・営巣し、留鳥としては東京都の伊豆七島・小笠原諸島、沖縄県の諸島群・遥か南南西の硫黄諸島…そして九州鹿児島県の草垣諸島が集団営巣地になり通年観察することが可能です。

その中でも沖縄県の八重山諸島の島「仲卸神島」の営巣地は「仲の神島海鳥繁殖地」として1972年に国の天然記念物として指定されました。

 

カツオドリ(ガネット)が見られる動物園ですが、調べた限りでは昭和40年代に「おびひろ動物園」「天王寺動物園」で飼育されていた記録があります。

2000年代には高知県の「桂浜水族館」で飼育されていましたが、現在は見られません。

国内飼育動物園の全種を検索できる「日本動物園水族館協会」のホームページでは2022年現在、カツオドリ(ガネット)の飼育施設はヒットしませんでした。

おびひろ動物園に過去寄贈した先の上野動物園でも展示鳥類には一切記載されていません。

 

以上の事から現在では、国内の動物園・水族館での飼育は行われていないようです。

 

カツオドリ(ガネット)はその飼育が動物園・水族館級の飼育技術を用いても非常に困難だそうです。

 

それでは、カツオドリ(ガネット)の寿命はどれぐらいなのかについてお伝えします。

 

カツオドリ(ガネット)の寿命はどれぐらい?繁殖期はいつなの?

 

カツオドリ(ガネット)はかなり長寿な鳥であり、その寿命は20〜30年と言われています。

その体躯も海鳥としては大きく、これという天敵もほぼ存在しないのが要因でしょう。

 

飼育下では1960年代に「天王寺動物園」において11年6ヶ月という記録があります。

 

カツオドリ(ガネット)の繁殖期は熱帯・亜熱帯地方では一年中繁殖・産卵を行うようですが、本土における数例の繁殖は主に3〜8月の比較的温暖な季節に集中しています。

 

次に、カツオドリ(ガネット)の雛(幼鳥)の特徴についてお伝えします。

 

カツオドリ(ガネット)の雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長に成長するの?

 

カツオドリ(ガネット)は2つの卵を産みますが、生き残れるのは1卵のみです。

 

カツオドリ(ガネット)の雛は孵化後は全身、白い綿毛に包まれています。

通常、カツオドリ(ガネット)は2つのみ卵を産むのですが…何と産まれた雛はお互いに争い、巣を追い出したり殺し合いをするという残酷な性質を持ち合わせています。

そのためにカツオドリ(ガネット)の雛はほぼ一匹のみ育ち、巣立ちを迎えるのです。

 

残された雛は親鳥が吐き戻した未消化の魚類等を独占し、すくすくと育ちます。

厳しいようですが、これも生存戦略の一環なのでしょう。

 

カツオドリ(ガネット)の最大体長は約75cm、翼開長の最大値は1m60cm、体重は平均値が1kgです。

鳥類なので体重に大きな差は生じませんが、海鳥で体長75cmはかなり大きな部類に入ります。

 

これ以上巨大化するとペンギンの仲間のように、飛ぶ事自体を諦めなければいけません。

 

次に、カツオドリ(ガネット)の鳴き声(さえずり)の特徴についてお伝えします。

 

カツオドリ(ガネット)の鳴き声(さえずり)の特徴は?

 

カツオドリ(ガネット)の鳴き声は大きく分けて2種類になります。

 

通常(地鳴き)はアヒルのような「グィッグィッグィッ」という鳴き方です。

 

その他、直接鳴き声を出すタイミングは「さえずり」です。

主にオスが求愛・テリトリーの主張のために用い、複雑で長いものから単調で警戒音のような高音を発します。

本土繁殖個体群は3〜8月の繁殖期にのみ、この「さえずり」を行うようですね。

 

それでは、カツオドリ(ガネット)は何を餌にしているのかについてお伝えします!

 

カツオドリ(ガネット)は何を餌にしているの?

 

カツオドリ(ガネット)は完全な肉食性の鳥類です。

 

主食はイワシやトビウオ、アジやサバなどのサイズの海水魚で、前述の通り海面に急降下し捕食します。

その他にはエビなどの甲殻類や、イカなどの軟体動物も好みます。

 

上空10m付近から10〜30mの深さまで潜れるので、上記に挙げた海生動物以外にも捕食対象は多そうですね。

 

次は、カツオドリ(ガネット)の性別雌雄(メスオス)の見分け方についてお伝えします。

 

カツオドリ(ガネット)の性別雌雄(メスオス)の見分け方は?

 

カツオドリ(ガネット)の性別判定はかなり細かい部分に着目する必要があります。

 

一つ目は「眼球周りの地肌の露出部分の色合い」です。

この部分に緑や青みがかるのがオス個体、反対に完全な黄色を持つのがメス個体と言われています。

 

二つ目は「眼球の大きさ」です。

簡潔に記すと、黒目部分が大きい個体がオス、比較的小さくなるのがメスとされています。

 

このようにカツオドリ(ガネット)の性別判定はかなり細かい部分に着目しなければならず、研究者による性誤認もしばしば起こるほどです。

 

最後に、カツオドリ(ガネット)の種類や品種はなにがいるのかをお伝えします!

 

カツオドリ(ガネット)の種類や品種はなにがいるの?アホウドリとの違いや見分け方は?

 

まずアホウドリとカツオドリ(ガネット)の最大の見分け方は生息地です。

アホウドリは現在地球上には、尖閣諸島と鳥島の2ヶ所にしか生息しません。

 

体色もアホウドリは頭部が白色、カツオドリ(ガネット)は茶褐色と明白な差が見て取れます。

 

次にカツオドリ(ガネット)の種類ですが、カツオドリ科カツオドリ属に言及すれば4種類の亜種が存在します。

 

カツオドリ属は「アオアシカツオドリ」「アカアシカツオスドリ」「ペルーカツオドリ」「アオツラカツオドリ」の4亜種、そして本記事で紹介した「カツオドリ(ガネット)」となります。

ペルーカツオドリとアオツラカツオドリ・アカアシカツオドリは保護状況の良い低危険種ですが、アオアシカツオドリのみガラパゴス諸島に生息する亜種群が厳重に保護されています。

アオアシカツオドリ自体も保全状況は良好で、カツオドリ属全体が現時点で数多く存在しています。

 

ペルーカツオドリとアオアシカツオドリのみ南米大陸のフンボルト海流域周辺にのみ生息していますが、アオツラカツオドリ・アカアシカツオドリの2種はカツオドリ(ガネット)と同じく3大海域の広範囲に分布しています。

 

保護対象種の「ガラパゴスアオアシカツオドリ」ですら、当のガラパゴス諸島で大量繁殖しているので、カツオドリ全体が絶滅の悲惨さからは程遠い位置に存在しています。

 

それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!

 

カツオドリ(ガネット)のまとめ!

 

いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは9個ありました。

覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!

 

①カツオドリ(ガネット)の画像(写真)!目や足の色等の特徴は?英語でなんていうの?名前の由来は?

頭部・頸部・羽根・尾羽にかけて濃い茶褐色が入り、腹部は白、目の周辺とクチバシは黄色味がかります。

海鳥としてはかなりの巨体を誇り、飛翔は上手いのですが、体重が重く離着陸に十分な滑空路を要します。

目には黒目があり、足の根本は白い羽毛に覆われ濃い黄色をしています。

正式な英名は「Brown booby」ですが、俗称の「Gannet」と呼ばれることがほとんどです。

カツオなどの大型海水魚に追い立てられたイワシなどに群がるので、カツオ漁師から「この鳥の真下にカツオがいる」と指標にされ、いつしか「カツオドリ(鰹鳥)」という名がつきました。

 

②カツオドリ(ガネット)は失明してしまうことで有名なの?失明後はどう生活するの?

海面に急降下し獲物を捕らえるので、柔らかい眼球が傷つきやすく、網膜剥離で失明することで有名です。

残念ながら失明した野生動物は死を待つしかありません。

 

③カツオドリ(ガネット)の生息地(分布)はどこなの?日本の動物園にいるの?どの季節で見ることができる?

過去には数例の飼育実績がありますが、2022年現在国内での飼育例はありません。

3大海域の全てに生息し、国内に限れば伊豆七島・小笠原諸島・沖縄の各諸島・鹿児島の草山諸島・硫黄諸島に留鳥として一年中観察可能です。

本州でも3〜8月にかけての繁殖期に数例の目撃記録があります。

 

④カツオドリ(ガネット)の寿命はどれぐらい?繁殖期はいつなの?

野生下寿命は約20〜30年、飼育下寿命は天王寺動物園の11年6ヶ月が最長です。

留鳥としてコロニーを敷く各諸島は一年中が繁殖期であり、ごく稀に本土に飛来する際は3〜8月が繁殖期となります。

 

⑤カツオドリ(ガネット)の雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長に成長するの?

雛は全身真っ白な羽毛に包まれています。

親鳥は必ず2つ卵を産みますが、雛はお互いに争い殺し合い、結果的に1羽しか巣立ちできません。

成鳥は最大で翼開長1m60cm、体長75cmです。

 

⑥カツオドリ(ガネット)の鳴き声(さえずり)の特徴は?

「グァッ・グァッ」とアヒルのような鳴き声です。

繁殖期にのみ「さえずり」を行い、大声で長く鳴いたり、短い高音を繰り返したりとバリエーションに富みます。

 

⑦カツオドリ(ガネット)は何を餌にしているの?

肉食性でイワシやアジ・サバサイズの海水魚と、イカやエビなどの軟体動物・甲殻類も好んで捕食します。

 

⑧カツオドリ(ガネット)の性別雌雄(メスオス)の見分け方は?

雌雄判定が困難で、鍵となるのは眼球のみです。

黒目が大きいのがオス、比較して小さくなるのがメス… 眼球そのものが大きいのがオス、小さいのがメスとかなり外見からは見分けにくいです。

 

⑨カツオドリ(ガネット)の種類や品種はなにがいるの?アホウドリとの違いや見分け方は?

カツオドリ科カツオドリ属はカツオドリ(ガネット)以外に「アカアシカツオドリ」「アオアシカツオドリ」「ペルーカツオドリ」「アオツラカツオドリ」の4亜種がいます。

アホウドリはそもそも地球上に鳥島・尖閣諸島にしか生息せず、頭部が白色なので容易に見分けがつきます。

 

それでは今回はこれで失礼します。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

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