みなさんこんにちは。
本日は、ジャコビン鳩の生態についてまとめていきたいと思います。
駅前などでよく目にする鳩…実は「ドバト(カワラバト)」と呼ばれ、元々は約1500年前の飛鳥時代に、日本にやってきた外来種です。
今回の主役『ジャコビン鳩』は、そんなドバトの改良品種であり、最も美しい品種と呼ばれます。
今回は、ジャコビン鳩についてのポイント、
以上8個の点についてお伝えします。
それでは、ジャコビン鳩の写真(画像)を見ていきましょう!
目次
ジャコビンの画像(写真)!特徴は?英語名はなに?
上記画像がジャコビン鳩です。
ジャコビン鳩の最大の特徴は一眼で分かるその首周りの発達した羽毛です。
生物学上での分類は「ハト目ハト科カワラバト属カワラバト」であり、皆さんが街中でよく目にするドバト(カワラバト)と全くの同種です。
古くは1500年前に「インド地方」に生息するカワラバトが品種改良され、ジャコビン鳩が作り出されたとされています。
その後イギリスに渡り、貴族の間で好まれて飼育されたのが始まりであり、その歴史が現代にまで続いているという訳です。
カワラバトはユーラシア大陸広範囲に渡り生息しており、突然変異や人口的な掛け合わせにより、たくさんの品種が誕生してきました。
主に改良品種は「鳴き声」と「鑑賞」を楽しむものに特化しており、ジャコビン鳩は「鑑賞」を楽しむための最たるものです。
同時期に派生した「クジャクバト((孔雀鳩)」もカワラバトを祖先に持ち、こちらは「尾羽」に特化した改良品種として著名な種類です。
「ジャコビン」の名の由来は1792年にまで遡ります。
当時はフランス革命の真っ只中であり、ジャコビン派という、ドミニカ人を含む政治組織が台頭していました。
「ジャコビン」という名はフランス人から見たドミニカ人の呼称(ラテン語Jacobusに由来)です。
ジャコビン派の僧侶が身に付けていた修道服には独特のフードがあり、それがジャコビン鳩の名前の由来となります。
ジャコビン鳩の首周りの羽毛は「フード」「たてがみ」「チェーン」の3部分に分かれています。
部位ごとの発達状況で上級品種が決まり、この3つ全てを兼ね備えた鳩は、より優れた品種として最高峰に位置したそうです。
現代でもアメリカなどの先進各国では、ジャコビン鳩の品評会が盛んに行われています。
ジャコビン鳩の大部分は、人間が管理しないと生きていくことができません。
完全なペット用の家畜であり、その存在にさえ異議を唱える愛護団体も存在するほどです。
ジャコビン鳩は首周りの羽毛が仇となり、人がそのフードの汚れや伸び具合を管理しなければ、食事や飛翔…そして子育てさえ自力で行うことは不可能です。
畜産農家の乳牛やウールを取るための羊・競馬における馬達が、定期的な乳搾りや削蹄・毛刈りを必要とするのと一緒です。
ジャコビン鳩は子育てや巣作り、そしてハト科特有の「ピジョンミルク」は作れるのですが、上級品種はフードにより視界が遮られてしまうケースがあります。
雛や卵が巣から転がり落ちても全く気付くことが出来ず、当然ながら雛への給餌もできません。
そのため一部のジャコビン鳩の有精卵は、孵卵器を用いて雛をかえす必要があります。
必然的に店頭に並ぶのは雛が多くなり、成鳥に育て上げるのに手間と費用がかかるため高額になるという訳です。
ジャコビン鳩の成鳥もフードの汚れや長さを人間が調節しないと、餌が取れず餓死してしまう場合が見られます。
当然ですが野生で生き抜くこともほぼ不可能であり、脱走=死と捉えておきましょう。
ジャコビン鳩は英語で「Jacobin Pigeon」と呼ばれます。
次に、ジャコビンの生息地(分布)はどこなのかについてお伝えします。
ジャコビンの生息地(分布)はどこなの?どの季節で見ることができる?
画像はジャコビン鳩の若鳥となります。
ジャコビン鳩は人間の完全な改良品種なので、野生には生息しません。
ただし元となった原種は容易に見ることができます。
カワラバト(ドバト)はユーラシア大陸各地に生息すると言いましたが、本来の出自はかなり不明瞭です。
歴史を遡って大まかな当たりをつけると、どうやらインドが原産地のようです。
本来の意味での野生種はインドに分布しますが、こちらもまたドバトと生息地が重複するので見分けるのは極めて困難です。
ドバトは本来、カワラバトが家畜化され野生に再放逐されたという、ややこしい歴史があります。
現在は日本各地…しかも都市部でも貪欲に繁殖し、世界各国に平和のシンボルに例えられるほど進出しています。
鳩といえばカワラバト(ドバト)と真っ先に思い浮かべる人も多くそういった意味では、最寄りの駅構内や高層マンション・公園等で一年を通じて容易に見ることができると言えるでしょう。
現在地球規模で、北極と南境大陸を除く世界中に分布していると言われます。
年間を通しその地に留まる留鳥化をし、繁殖も栄養価の高いピジョンミルクを用いるため、1年間に3回以上繁殖可能です。
次に、ジャコビンの寿命はどのぐらいなのかについてお伝えします。
ジャコビンの寿命はどれぐらい?繁殖地や繁殖期はいつなの?
ジャコビン鳩の寿命は平均値が約3〜5年ほどで、上手く飼育すれば10年は生きることができます。
繁殖は年間を通して行うことができ季節も問いませんが、理想的には4〜5月が適しているとも言われます。
既に触れた通り野生のジャコビン鳩は存在しないので、自ずと繁殖地も存在しません。
次に、ジャコビンの雛(幼鳥)の特徴についてお伝えします。
ジャコビンの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?
ジャコビン鳩の雛は生まれた時点では当然ですが、フード状の羽毛は持ち合わせていません。
見た目はごく普通の鳥の雛ですが、生後20日足らずで急速に成長し、首周りの羽毛はほぼ生え揃います。
30日経つと完全に巣立ちしますが、その頃の幼鳥・若鳥は親同様に立派な首周りの羽毛が完全に生え揃うのです。
毛量が少ないジャコビン鳩は問題なく子育て可能であり、上級品種も時には多種の鳩による「人工的な托卵」も行えます。
ジャコビン鳩を始めとする鳩の仲間の雛は「ピジョンミルク(鳩ミルク)」と呼ばれる高栄養価の餌でのみ育てられます。
正確には「素嚢乳」と呼ばれ、哺乳類のそれとは異なりタンパク質・脂質が多量に含まれます。
またオスメス共にこの素嚢乳を作り出すことができ、一度に2卵しか産卵しない事もあり、短期間で繁殖を繰り返します。
ジャコビン鳩の体長や大きさはほぼ一般的なドバトと同等で、約30〜35cmです。
羽毛と共に大きさを追求した品種もあり、40cmを超える大型品種も作出されています。
次は、ジャコビンの鳴き声(さえずり)についてお伝えします。
ジャコビンの鳴き声(さえずり)の特徴は?
ジャコビン鳩の鳴き声はカワラバト(ドバト)に準じます。
「クルックー…クルックー」「ウー…ウー…」という低くくぐもった声が主の鳴き方です。
さえずりや求愛・縄張りの主張のほぼ全てにこの鳴き声が使われ、特筆すべき鳴き分け方はほぼありません。
次は、ジャコビンはペットにできるのかについてお伝えします。
ジャコビンはペットにできる?飼い方は?何を餌(食べ物)にしているの?
ジャコビン鳩はペットに特化した鳩であり、容易に手に入れることが可能です。
基本的にケージではなく鳩舎と呼ばれる飼育方法が長く行われましたが、同サイズのインコ・オウム用のケージで全く問題はありません。
ジャコビン鳩は見た目と裏腹にかなり頑健であり、飼育そのものは非常に容易です。
ジャコビン鳩に与える餌は市販の安価な「鳩用の餌」で構いません。
もし栄養価が心配でしたら多少高価になりますが「鳩用ペレット」も市販されているので、こちらを用いましょう。
水分は平皿では糞が混入し自家中毒を起こしやすいので、ケージに引っ掛ける形の給水機を使います。
ジャコビン鳩の原種カワラバトは飛鳥時代…研究者によっては大和時代から飼育されていたとも言われます。
その当時の飼育技術で今日まで繁栄しているので、毎日のメンテナンスを基本通りに行えば上記の飼育設備でなんなく飼育できます。
鳩飼育で気をつけることはその糞と鳴き声です。
ジャコビン鳩や鳩の仲間の糞には実は大量の細菌・ウイルスがおり、人畜共通感染症を起こす可能性があるのです。
健康な大人は滅多に罹患しませんが、子供や高齢者・基礎疾患などがある方は注意しましょう。
鳩はいわゆる「中間宿主」に選ばれることが多く、社会問題になる「糞害」もただ不衛生という理由だけではありません。
衛生面をこまめに保てば全く問題はないのですが、糞が乾燥するまで放置しジャコビン鳩の羽ばたきなどで飛散すると「オウム病」や「クリプトコックス症」にかかってしまうケースがあります。
両者ともアレルギーや呼吸器系疾患に繋がるので、鳩飼育の要は「清潔を保つこと」に尽きます。
ジャコビン鳩は雛で売りに出される事も多く、そういった場合は親鳥の代わりに「素嚢乳」の代替物を必ず用意しましょう。
代用品は豆乳をベースにし、麻の実・鳩用飼料・ボレー粉・葉野菜・卵黄・ナチュラルチーズをフードプロセッサーで液状になるまで混ぜ合わせます。
赤ん坊の離乳食状と言えば分かりやすいかもしれません。
ただあくまで代替品なので、本来親から子に伝わる抗体などは含まれません。
そのため保温や清潔な状態を常に保ってください。
そして忘れてはならないのがジャコビン鳩の襟巻きの手入れです。
本来自分で行うはずの毛繕いなどは不可能なので、飼育者が定期的に羽切り・清拭を行う必要があります。
羽切りは文字通り食事や翼の毛繕いを妨げる首回りの羽毛の裁断を指します。
手乗りのクリッピングと同じで根本から羽毛を切ると感染症の危険があるので、上部付近を整える程度に留めます。
ライターなどで熱消毒したペット用のハサミを必ず使用してください。
清拭ですが文字通り首周りの羽毛を清潔に保つことです。
放っておくとダニなどの格好の生息地になるので、週に2〜3度は必ず「常温水」を柔らかい布や綿棒に含ませて、羽毛の根元から上に添い優しく拭いてあげます。
お湯などは使わないでください。
鳥類の羽毛には本来水分を弾いたり、寄生されにくくするための油分が付着しています。
お湯ではこの油分が溶解してしまうので、必ず常温水を用いる必要が生ずるのです。
それでは、ジャコビンの性別雌雄(メスオス)の見分け方についてお伝えします!
ジャコビンの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
ジャコビン鳩は体格と鼻ろうで性別が分かります。
ジャコビン鳩はオスの方がやや大きくなり両脚が太くなりますが、メスは脚部を含め全体的にほっそりとしています。
またクチバシの上部、鼻の周辺に「鼻ろう」という白いコブ状の特徴が見られます。
これが大きく発達するのがオス、逆に控えめな小さな形状を持つのがメスです。
ただ両者ともあくまで比較した性判定になりますので、ベストは購入先に尋ねた方がいいでしょう。
最後に、ジャコビンの値段や販売価格をお伝えします!
ジャコビンの値段や販売価格はいくらぐらいなの?
ジャコビン鳩は上級品種…つまりフードが著しく発達している品種の方が、より高額となります。
加えて生育の難しさや、雛鳥育成の手間・希少性を加味するので鳩としてはかなりの高額種です。
一般的に系統立たない雑種に近いジャコビン鳩でも15,000円以上、上級品種は30,000〜50,000円にもなります。
雛鳥は多少安くなる傾向がありますが、育てるコストを考えるとトントンでしょう。
「懐く」という点を狙うのなら、雛からの飼育をお勧めします。
それでは、今回お伝えしたことをまとめていきましょう!
ジャコビン鳩のまとめ!
いかがでしたでしょうか?今回お伝えした重要なポイントは8個ありました。
覚えているでしょうか?1個ずつ振り返っていきましょう!
①ジャコビンの画像(写真)!特徴は?英語名はなに?
発達した首周りの羽毛が最大の特徴です。
英名は「Jacobin Pigeon」と言い、フランス革命時のドミニカ人修道服に由来します。
完全家畜化されたペットなので、人間の元でしか生きられない得意な品種となります。
②ジャコビンの生息地(分布)はどこなの?どの季節で見ることができる?
野生種は本来インド地方に生息しますが、家畜化→再放逐が地球規模で進んだ結果、北極と南境大陸以外の全世界に分布するようになりました。
ジャコビン鳩の野生種は存在しませんが、一年を通し店頭で見ることができます。
③ジャコビンの寿命はどれぐらい?繁殖地や繁殖期はいつなの?
平均3〜5年、最大寿命は10年です。
繁殖地は存在せず、繁殖期は一年中であり3回以上の繁殖が可能です。
④ジャコビンの雛(幼鳥)の特徴は?最大でどれくらいの体長や大きさに成長するの?
生後20日ほどの短期間で首周りの羽毛が完全に生えそろうほど、成長速度が顕著です。
一月後には完全に親鳥と変わらない状態にまで成長します。
高タンパク・高脂質の素嚢乳のみが雛の餌となります。
概ね30cmまでに成長し、大型品種では40cmに達するものもいるそうです。
⑤ジャコビンの鳴き声(さえずり)の特徴は?
「クルックー…クルックー…」などドバトと同じく低くくぐもった声で鳴きます。
⑥ジャコビンはペットにできる?飼い方は?何を餌(食べ物)にしているの?
容易にペット飼育が可能です。
衛生面に気をつければ、同サイズの鳥類用のケージが流用できます。
餌は鳩用飼料や鳩用ペレット等が市販されているので、そちらを用いてください。
分が混入するので間口の狭い給水気で水分を与えましょう。
人畜共通感染症には十分に気をつけ、糞は乾いて飛散する前に迅速に処理する必要があります。
首周りはジャコビン鳩自身では手入れが不可能なので、適宜飼い主が清拭や裁断等のメンテナンスを行う必要性が生じます。
⑦ジャコビンの性別雌雄(メスオス)の見分け方は?
オスは全体的に大柄で脚部が太く、反対にメスはほっそりとし脚も細く、全体的にスマートです。
鼻の周りの白変部「鼻ろう」がコブ状になり大きめなのがオス、あまり発達しないのがメスとなります。
あくまで比較した性判定なので、一番は購入先で確認してもらうことでしょう。
⑧ジャコビンの値段や販売価格はいくらぐらいなの?
品種によりますが最低でも15,000円以上、上級品種ですと30,000〜50,000円とかなり高額になります。
雛はやや安価になりますが、育てるのが難しくコストがかなりかかるので「手乗り」目的以外なら成鳥を購入するのが良いでしょう。
それでは今回はこれで失礼します。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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